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2015年5月21日(木)の日記

VAVA バーボン1

VAVA バーボン2


 つい先日の夜のことです。
 
 私は人通りのない路地を一人歩いておりました。
 夜も遅いというのに空気は湿気を帯びてじとりと蒸し暑く、夏の近づきを感じさせます。
 まだらの猫がおああと鳴いて、飛び退くように茂みに消えていきました。
 
 私の目線の先に、2匹の大きな蛾が飛んでおりました。
 ベージュに近い薄茶色をしたそれは、ときおり小さな目をチラっ、チラッと光らせながら、結構なスピードでこちらに近づいてきます。
 近寄るのは嫌だったので、私は道の端に寄って、それが行き過ぎるのを待ちました。
 蛾は、ランダム性のない規則正しい上下運動で、2匹は常に一定の間隔を崩さずに飛んでいきます。じっと観察していると、その飛び方があまりにも蛾離れしているといいましょうか、何か別の意志が宿ったものである気がして仕方なくなったので、すれ違う瞬間の最も近づいたところで、目を凝らしてよくよくその蛾を見てみたのです。
 
 それは、ピアスをつけた人間の耳でした。
 
 1対の耳は、そのちょうど真下あたりの地面から、コツ、コツとリズミカルなヒールの音をさせつつ、夜道の奥へ奥へと消えていきました。
 
 
 家に帰り、先ほど目にした不可思議なものを思い出しながら、私は一人で酒を飲んでおりました。
 やがて酔いも回ってきた頃、きっとあれは、耳だけお経を書き忘れたおっちょこちょいな人だったに違いない、という結論に達したのですが、だとすれば、お経を書かれた物が見えなくなってしまう私とは、一体何者であったのでしょうか。

 未だに夜が 怖いのです。

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[ 2015/05/21 00:00 ] X | TB(-) | CM(0)

2015年5月9日(土)の日記

VAVA友


 物語にはターゲットとする人と、その感情をどう動かしたいかという目的がある。
 
 少年が大冒険をするお話は、想像力と好奇心を持て余した子供達に夢を与えるし、新入社員が斬新な発想でダメな会社を再生させていく話は、自分に対する周囲の評価に納得していないが、周りから見れば妥当な評価を受けている人の不満のはけ口となる。そしてバキューン 撃たれたー!!

 「うふっふっふ。伝説と呼ばれた男も、こうなってみれば意外とあっけないものですね。」
 「う……うぅ……」
 「この弾丸は我が社で開発した特殊麻酔弾でしてね。義体の制御を強制的に乗っ取ることで、
  48時間は体の自由が全く効かなくなるのですよ。いかがですかな? ……と言っても、もはや聞こえていな……」
 「うっ……ぐぅっ……痛え……なぁおい! なにしやがるっ!!」
 「なっ、なにぃっ!? この麻酔の制御下にあっては、指1本動かすことすらままならないはず……!!」
 「あいにく俺の義体は戦中に作られた旧式なんでな。あんまり効かねぇみたいだぜ、そういう最新式の奴は。」
 「ひぃっ、そ、そんな馬鹿なぁー!!」

 ……みたいな話は、旧式の人間、具体的に言うとスマートフォンとか持っていない人を気持ちよくさせる効果があるということに、つい先日気づいた。そしてばっちりヒットしている自分に気づいてしまった。
 敵の電磁波攻撃で最新式のロボが全て出撃できなくなってしまい、世界は1機の旧型ロボに託された!! みたいな話もだいたい同じ。

 近い将来、スマートフォンを操作しながら歩くことの危険性、人といる時に操作しているのが失礼にあたること、人とのコミュニケーションも、ゲームも、調べ物も全て同じ姿勢、同じ動作で行うため、脳に悪影響&漫画家泣かせであるというスマートフォンの危険性が指摘され、生まれてきた子供と、希望する者の脳内に、最初からネットワーク端末を内蔵するという政策が取られることとなる。
 この新世代型の人々は、道具を使わずに世界のネットワークとつながることができるため、知識を頭の中に貯めておく必要がなくなった。学校の授業からも暗記系の勉強がなくなり、その分を他の教育に回すことができるようになったため、旧世代の人々よりも学力が上昇。知らないことを調べるといった作業もなくなったので、優秀な人材として社会的に重宝されるようになった。
 当然、それをよく思わない旧世代の人間が出てくる。
 彼らの中の一部強い悪意を持った者達は、「真実は書物の中に」を合言葉として、ネットワークの中に存在する情報に、大量に嘘を流すという行動に出始めた。このことにより、知識をその優位性としていた新世代型の信頼性が大きく揺らぎ始める。
 悪意はそれにとどまらなかった。世界中のネットワークの中に、新世代型の脳内端末に作用するウイルスが流され、常時ネットワーク接続をしていた世界中の新世代型が瞬く間に感染。意志を失い一斉に暴走を始めてしまう。
 街に残された人々は、ゾンビのように暴走を始めた新世代型をショットガンなどで退けながら、ウイルスをばらまいた悪の科学者を倒すため立ち上がるのだ!!

 こういった場合にはショットガンを撃つ側に自分はなれるもんだと、無意識に思ってしまっているのだ。
 そんなはずないのにね。ある日ひょんなことからスマートフォンを持ったら、全く逆の話を書くようになるのにね。


 新世代型(若い人とは限らない)は何を考えているかわからなくて、怖くて、きっとそのうち事件を起こす、という発想は、そのままX8の柱だったりするのだけれど、そのX8の中で、滅べと言われて大人しく滅んでやるつもりはない! などのセリフが出ていることから、我々は何らかのメッセージを受け取ることはできないだろうか。

 できないか。
 気のせいか。

[ 2015/05/09 00:00 ] X | TB(-) | CM(2)
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