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2012年1月25日(水)の日記

黒鉄国男2

 今日のテーマは「IT」です。

 去年の年末に見かけたテレビのCMに、やけに気にかかるものがありました。
 何のCMか結局よくわからなくて、おそらくITとかIT関連企業のCMだったとは思うのですが、内容としてはこんな感じ。

 リビングにアジア人の家族が集まっている。セリフがないので日本人かどうかは不明。家族といっても、お爺ちゃんと、その他は若い人達というワンサイドな編成。お爺ちゃんはキネクト的なダンスゲームをやっており、その一生懸命さから、おそらく孫たちに「お爺ちゃんもやってやって!」とせがまれてのプレイだと思われる。
 ところが孫1は、お爺ちゃんがダンスをしている様子をこっそりデジカメで撮影しており、その動画データをこっそり孫2に転送。孫2はそのデータに「残念」みたいなコメントをつけて、家のパソコンに転送。さらにそれを受け取った孫3が、ノートパソコンでその動画を切って貼って、お爺ちゃんが行ったり戻ったりする面白動画を作成し、それを見てみんなアッハッハ、お爺ちゃんは参ったなはぁ、といった表情、というもの。

 これは、かなり陰湿な年寄りいじめですよ。
 何故、家族でやる必要があったのか。
 まだ物心のつかない高校生グループや、大学生サークルにやらせたらいいじゃないですか。
 お爺ちゃんも多少は知識があるから、だんだん孫たちの個人に対する思いやりや情報危機意識の薄さに不安になり、
「おい、まさかあの動画、ネットに投稿したりはしておらんだろうな?」と尋ねたら、孫は笑って
「大丈夫だよ。」との返事。
 ホッとしたのもつかの間、
「誰も見てないから、あんな動画。」
 そういってゲラゲラ笑う孫達。

 違う、そういう意味でねぇんだ! 誰が見るとか見ないとかでねぇ、何人見たとか見ないとかでねぇ。お爺ちゃんはただ、誰が何をするかわからないこの社会に潜む意識的な悪に怯えとるんだ! あれを甘く見てはいかんのだぞ! 人生の大団円を間近にして、全てを失う可能性だってあるんだぞ!! そう力説するも、孫たちはただヘラヘラするばかり。何も理解しない孫1は笑って言います。
 「おじいちゃん、シャイなんだね。」

 その一言がお爺ちゃんの心の堰がとうとう決壊。無言で部屋に走ると、再びリビングに戻ってきたお爺ちゃんの右手には、戦時中には相棒と呼び暇さえあればピカピカに磨き込んできた、ひと振りの軍刀が握り締められていました。長いこと生きてきたが、ここまでコケにされたのは初めてじゃ!! もう勘弁ならん、貴様らを生んだ我が血の責、この手で討ち果たして見せようぞ! これが、これこそが、ワシのIT革命じゃ!!!!
 戦時中の記憶が老体のニトロに点火(イグニッション)、さっきまと同じ老人とは思えない俊敏さで家族に飛びかかって、一人、また一人と、一刀のもとにブッ斬り殴っていくお爺ちゃん。口からは37度の火炎を轟々と放射し、目からはB-29をも射落とす勢いで怒りの赤色光線をビカビカと照射して、部屋の隅で怯える我が孫に、最後の一太刀を大上段から振り下ろす!!
 興奮冷めやらぬまま、討ち取った御首級をテーブルに並べ、自分の携帯で写真を撮り、自身のツイッターに「成敗なう」と投稿するも、社会は他人に無関心だから、「今はもう『なう』なんて言わないんですよ。」という見当違いな反応が。そんなもんです。

 ふと息を整えてリビングを見れば、長年かけて築き上げた家族を全て失い、汚泥の海に一人ぼっちになってしまったお爺ちゃん。
 せめて、動画の削除の仕方を聞いてからにするんだったのう。
 そう、寂しそうに独りごちて、息子のジャケットを探り、孫が生まれて以来ずっとやめていた煙草に、そっと火をつけました。

 かぞくがいちばん。


 思い出した。マイクロソフトのCMだ。
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[ 2012/01/25 00:00 ] エグゼ | TB(0) | CM(0)

2012年1月20日(金)の日記

黒鉄国男1

 村がゾンビの大群に襲われてしまいまして。まだ1月だというのに困ったものですね。
 左右の眼球を別の方向へグリグリ回し、唇の崩れ落ちた口の奥から歯をむき出しながら、もはや人間ではないうめき声を上げるゾンビの群れから命からがら逃げ出して、大きな通りを走っていると、おーいこっちだ! という、ハッキリとした人間の声が耳に入ってきました。すがる思いで声のした物置小屋の中に駆け込むと、その中には逃げ延びてきた人たちが男女合わせて10人ほど、身を寄せ合って隠れていました。
 声の主は40代で骨格の太い、元自衛官の男性でした。私が小屋に入ると、その男性は素早く戸を閉めかんぬきをかけて、説明を始めます。
 「村にいた生存者は、これでほぼ全員揃ったはずだ。これから、ここにいる全員で力を合わせて、村から脱出しようと思う。リーダ役は私が務める。協力してほしい。」
 物置小屋の暗がりの中で、皆が頷きます。
 「ひいてはチームワークを高めるために、全員に自己紹介をしてもらいたい。自分の名前と年齢、役に立つ特技を教えてくれ。」

 えっ、どうしよう。こんな非常時に役に立つ特技なんて、逆さにされても出てきやしませんよ。

 「押忍! 自分は獅子ケ原拳、24才、警察で極真やってました。押忍!」
 こりゃトップバッターでずいぶんハードルが上がったぞ。
 「振妻麻衣子27歳です。看護師をやっています。ケガの治療は任せて下さい!」
 なんだなんだ、みんな本気を出してオーハラにでも通ってたのか。
 どうしよう どうしよう どうしよう 
 私の順番が近づく
 どうしよう


 暗転


 学校でクラス替えがありまして。まだ1月だというのに困ったものですね。
 最初の朝礼で、全員が自己紹介をする流れになり、全員が、それぞれ名前と特技を発表していくことになりました。私も自己紹介の席順が自分に回ってくる来るまでの間に、まぁ勉学の場にふさわしく「絵を描くのが好きです」とでも言っておこうかなと、話す内容を用意していたのです。
 私の前の席には、足袋岡さんという小柄でポッチャリした女子が座っていました。いつもうつむき加減の、自信なさげな女の子でした。自己紹介の順番が足袋岡さんまで回ってきたとき、その彼女はあろうことか、「私、絵が描けます。」と言ったのです。先に取られたな、と、私は内心少々苦々しく思っておりましたが、彼女の発表を聞いて、教室内からは「描いて描いて」という声が上がり、それを受けてか担任も足袋岡さんを呼び寄せ、黒板に何かひとつ描いてもらうことになったのです。

 それが、腰が砕けるほど下手なんです。

 絵というのは、個人個人の感性によって受け取り方が違うものだから、上手いとか下手とか、あまり勝手なことを言っちゃいけないのはわかるんですが、少なくとも自分の方が上手いだろうなという自負はありました。なんというのかな、「私、絵は描けないけど、ネコちゃんの絵だけは描けるんだよ。」というおばちゃんの描いた猫の絵みたいと言ったら想像できるでしょうか。左向きの猫と言っても顔は正面向きだから、右向きにもすぐに対応出来るはずなのに、右向き描いてと言ったらペンを持ったまま動かなくなる感じと言ったらご理解いただけるでしょうか。とにかく、そういう感じの、他に全く対応が効かない感じの絵なんですよ、足袋岡女子の描く絵は。
 ところが、教室の女子からは、上手い上手いという声が上がりました。学級新聞にイラスト描いてー、とか、学級旗の絵は足袋岡さんで決まりだね! などと、皆大いに盛り上がって口々に言うのです。足袋岡さんはおそらく、今まであまり人から頼りにされた経験がなかったのでしょう。さっきまではおどおどと、自信なさげに佇んでいた彼女でしたが、皆の賞賛の声を受けると、パァっと頬に赤みがさし、初めて自分の居場所を見つけることが出来た喜びに、初めて生まれた自分自身に対する誇りに、全身でもって歓喜にうち震えているようにも見えました。

 その次が私の自己紹介です。
 もう言えませんよ、絵が得意ですなんて。


 一定の枠に収まらず、一芸に秀でることを良しとする風潮がありますが、本当でしょうか。ネットゲームに数千時間と数百万円をつぎ込み、そのゲーム内では知らない人がいないほどの伝説的地位に上りつめた人でも、バイトの面接会場ではその価値が0もしくはマイナスにされてしまうように、とっておきの一芸を封印された時の弱体化は計り知れないものです。自分の特技は多少分散させておいた方が、いざという時に人間の価値的な強みになるのではないでしょうか。
 結局は、格闘ができて、コックで、関西弁も喋れるみたいな人が、潰しが効きまくる点で最強なんでしょう。本職が警察官だったりしたらなお強いね。
 私も何か誇れる特技を複数点持っておきたいものです。ゾンビが来ても戦える格闘系の特技がいいですね。
 毒手とかね。
[ 2012/01/20 00:00 ] エグゼ | TB(0) | CM(0)

2012年1月9日(月)の日記

バーン・ディノレックス

 もうすっかり明けましてよ。
 今年もよろしくてよ。

 新成人のみなさんへ。
 絵が上手くなる方法を質問すると、やたら人物デッサンを勧めてくる人がいるが、別に本気でプロの漫画家やイラストレーターになりたいわけじゃないのなら、絶対に人間が描けなきゃいけないという理屈もないので、自分が描きたいものが上達するように練習をすればいい。むしろ人間しか描けなくて、他のものが目も当てられない絵になっている人をたまに見るので、人間しか描けないような人にはならないでいただきたい。
 絵を描かない新成人のみなさんへ。
 適当にやれ。

 辰年ということで、新年のお年賀はドラゴンキャラを全部描いちゃうぞ、と、去年の年末あたりでは思っておりました。あの時の私はなんだったんでしょうね、自分は神だと、もしくは無職だとでも思ってたんでしょうか。
 まずロックマンに登場するドラゴンを全部リストアップしてみたのですが、他の干支に比べてもまあ相当な数いるわけですよ。そもそもスパイ・ラリューを3体描かなきゃいけないという事実に直面した時点で、かなり心が折れまして。ワイバーンって竜に含めなくていいんでしょうかね。そのへんの線引きも甘々な状態で事を進めちゃってますから。ネイクルって蛇? ジジ・ガガって竜?

 計画発足当初はボス、中ボスだけにしようかなという構想だったのですが、次第に欲が出て、クラインB・G、ドラゴンマグマ、マグマドラゴン、ツボリュウ、イナドランあたりのザコ敵も捨てがたいな、と思い始めました。イナドランなんて、ちょっと鏡餅っぽいじゃないですか。そのあたりまでカウントし始めてしまうと、今度は攻撃技であるところのハイドロドラゴンとか、ヴォミテッド・ドラゴンとか、フリージングドラゴンまで描かなくちゃいけないのか? とうことになり、それを描くなら技だけでなく、技を出してる人も描かなくちゃ意味が分かりづらいよなぁ、と思った時点で絵のボリュームが一気に膨れ上がるわけですよ。なんせレグアンカーが追加されてますから。

 とどめに、VAVAの脚部兵装であるドラゴンズワースとシードラゴンズレイジはどうする? とい疑問にぶち当たりまして。技を2種類出すためだけにVAVAを2人描くのはおかしいし、かといって、VAVAの両膝から違う種類のバーナー出す? スクワットみたいな体勢で? それはカッコ悪すぎるなぁ。いっそ坐禅をかいた状態で両膝から違う種類のバーナーを出させて、空中浮遊しているような絵にしてしまおうか、ドラゴンズワースが出ている脚の方が出力が高くて、多分一方にぐるぐる回るけど。などと、あまりに発想が飛躍するので、熱を計ってみたら37℃ちょいありまして、年末を病の床に伏せて過ごすこととなり、計画は「ボリュームを大幅に減らした上で、1体1体を一生懸命描こう」という方向にスライドされることとなったのでした。
 そうしてできたのが、今年の年賀状なのです。

 皆さんも病気には気を付けてね。あなた一人の体じゃないんだから。
[ 2012/01/09 00:00 ] X | TB(0) | CM(0)
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